マスメディアとソーシャルメディア。この番組はその両者の代弁の場となっているのかもしれない

新・週刊フジテレビ批評

『新・週刊フジテレビ批評』とは……

福原伸治氏は20年近く前から積極的にCGを導入し、日本初のヴァーチャルスタジオ番組などを手がけた先鋭的な制作者である。その精神はここでも存分に発揮されている。新しいメディアを積極的に取り入れ、テレビにまつわる“最新”を番組内で紹介するだけでなく、実践もしている。ある種のテレビの未来形がここにはあるのかもしれない。

スタジオ正面上
——『1week Topic』はちょっと学問っぽいスタンスですね?

……というよりもその週にあったできごとを導入にして、時事性を入れながら単に批評に留まらずに“テレビの裏側”やリテラシー、「いまこんなふうに作ってますよ」「こう進んできましたよ」ってテレビのいろいろを紹介する感じですね。とくにBPO放送倫理・番組向上機構による『最近のテレビ・バラエティー番組に関する意見』が好例で、あれはまさに「テレビが今どういうふうに見られているか」という話だったので、丁寧に扱いました。 
  

——『Critique Talk』はテレビ視点とおっしゃってましたが、ゲストの人選がユニークですね。

結構キャスティングはいろんなジャンルにわたってこだわろうかなと考えています。これまで通りいろんな制作者の話を聞くというのもアリですが、取り上げるカテゴリーを考えているんです。
●テレビとテレビに関わるいろいろなこと……テレビと外部とか
●テレビにまつわる時事的なもの……タイガー・ウッズ問題とか
●世代論……デジタルネイティブとか、10代とテレビの関係、年配の方とテレビとか。
●テレビと未来……将来こうかわるとか。
 ゲストはカテゴリーによって多岐にわたって変わります。たとえば、この4月には津田大介さんをお呼びしてツイッターの話題を取り上げ、放送と並行してツイッターもやりました。いろんな角度からやろうと思っています。過去に学んでフィードバックすることもあれば、今テレビがどう見られてるのか、どういう場にいるのかを見据えつつ、これからのあり方や「テレビと外部」との関係にも注目していこうと。

——津田大介さんがゲストのときには、Ustreamと連動されました。

テレビの批評とかリテラシーを紹介する側面を持ちつつ、実験的な部分も入れていきたいんです。ツイッターの話もユーストリームを使ったのもその一環です。今は番組でのアンケートでQRコードを使ったり、携帯電話から電話をかけるだけで、ショートメッセージが配信される“空電サービス”を取り入れたりしているのもそうです。今後はSNSを立ち上げようと思っています。ソーシャルメディア的な要素を番組に取り入れるとどうなるのかっていう……コレも実験ですね。早朝の時間帯だから、多少なりともこういう冒険ができると思うんです。テレビだって見ているだけでなく参加できるんだという形を少しずつ打ち出していきたいですね。

——別のメディアを排除しないで取り込んでいこうという……。

昨年11月に、電通の奥 律哉さんがトークでおっしゃっていたことなんですが、テレビが今どういう風に見られているかを調べてみると、結構携帯電話を片手に、というケースが多いそうなんです。PCを立ち上げるのではなくケータイ。うちの番組がケータイサイトをはじめ、ケータイ関連のインターフェイスを充実させているのは、そういう理由もあります。現状、寄せられる意見の8割ぐらいはケータイから。ちょっとした実証実験でもありますね、これは。

——なるほど、テレビにまつわる新しいことを紹介していくだけでなく実際に取り込んで番組にしようと。

そうです。実際のところ、予算であるとか時間帯の問題とかいろいろと制限は多いですし、十分できているとは言い難いですが、連動していければいいかなと思いながらやっています。

——福原さんは視聴者として、他の番組をご覧になったりしますか?

なかなか難しい話ですね(笑)。われわれは普通の目ではテレビを見られなくなっていますから。「誰が作っているんだ」「なるほどそういうふうにやるか」とか「作家誰かな?」「ああこいつか」とか(笑)。 クレジットだけはしっかり見る感じですかね(笑)。あ、でもNHKの番組はしっかりしているのが多いという印象があります。とくにNHK教育……勉強になりますね(笑)。

——そもそも『テレビコ』って、「この番組誰が作っているんだろう」「スタッフ何人ぐらいだろう」っていうところがスタートなんですよ。スーパーで売ってる野菜に生産者の顔がついてるのありますよね、ああいう感覚……で、『新・週刊フジテレビ批評』のスタッフは何人ですか?

結構少ないですよ。制作全員で20人。それで毎週1時間の生放送を回してます。

——番組をジャンルわけするとすればどうなりますか?

情報番組……ではありますね。批評番組っていうだけのものでもないですし。

——この番組は、どんな視聴者層が見ていますか?

早朝ですから、なかなか「こういう人に見てほしい」という希望にフィットするようなものではないですね。アンケートなどを見る限りでは、結構まんべんなく各世代に見ていただいているようですが。早朝の時間に見ている視聴者の気分って、わざわざ「これを見よう!」ってつけてる人がどれくらいいるかわからないんですよね。たまたまつけっぱなしなのか、つけたらやってるのか。

——視聴率は気にしていますか?

それほどは。ただまったく気にしていないと言えばウソになります(笑)。他の時間帯に比べるとプレッシャーは少ないのは確かですけど、「見てもらってナンボ」の世界なんで。どうしても裏に情報番組が多くて。「今世間で何が起こっているか」という部分は、みなさんの興味があるところですから、そこにはなるべく負けないように工夫はしてますけど。



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番組data
番組名 新・週刊フジテレビ批評 ジャンル 情報
放送局 フジテレビ(フジテレビ系)
放送日時 毎週土曜 午前5時から6時
番組URL  http://wwwz.fujitv.co.jp/newhihyo/index.html
主なスタッフ 監修・日向英二、
プロデューサー・福原伸治、ディレクター・本間学(敬称略)
スタッフ数 約20人
主な出演者 司会・奥寺健、武田祐子、ニュースキャスター・大島由香里、
お天気キャスター・石田紗英子(敬称略)
放送開始日 1992年4月「週刊フジテレビ批評」、2009年10月3日「新・週刊フジテレビ批評」

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