“空から日本を見る番組”ゴールデンタイムらしからぬマニアックな番組

空から日本を見てみよう

「空から日本を見てみよう」とは……

始まりは2008年に2回放映されたスペシャル番組。09年10月からレギュラー化したいまの番組とまったく変わらぬタイトルで、空から日本を見た。が、そもそも空から見たかったのではない。実は発想の元は地上にあった。あとちょっとした制作者の妄想っぽい想いと。


——この番組を始めたのはどういった経緯ですか?

まず個人的な興味として、地理を扱って何とかできないかなって思ってたんです。スタッフとも「よく山の中にポツンと一軒だけ家があったりするけど、誰が住んでんだろうね」なんて話をしていまして。それと……『探偵物語』っていう松田優作さんのドラマに出てくる探偵事務所、あれ、神田淡路町の病院の上にあったんですけど(※)、子どものころに自転車で探しに行ったりしてたんです。そういう、ちょっと変わった建物がもともと大好きなんですね。で、なんとか中に入れないかなあと。合理的に中に入る手段として『あの中に入ってみたい』という企画を作家と考えてみたり(笑)。いろんなものが元にあったんですよ。山の上にポツンとある一軒家も、外から見ると不思議な建物も、視点を変えて上から見てみると、“あ、なんだろ、アレ? 入ってみましょう”って言えるんじゃないかなって。空撮だったら全部解決できた!みたいな。いわゆる旅番組からの発想ではないんです。 


——地図ブームみたいなものもあったせいか、09年10月の初回が8%から始まって、第6回目の「日光の回」で視聴率は10%越えました。見る人たちも同じような、心理状態だったんでしょうかね?


おそらくひとつには、「くもみ」の声を担当している柳原可奈子さんも、どこかのインタビューで言ってたんですが「10分で確実に寝られる番組」。そんなふうに、見ていてストレスのない番組だからでしょう。あと、番組がどんどん流れていくので、視聴者はその“先へ進んでいくもの”に身を委ねられるということがあるんだと思います。 


——飛ぶエリアはどのように決めてゆくんでしょうか?

いまのところ、基本的には僕や作家の伊藤(正宏)さんはじめスタッフの個人的な趣味の範囲をベースにしています。僕は東京生まれで“あそこに昔ナニがあったよね”っていう話をよくするんです。たとえば「高田馬場の駅前の質屋に、マリリン・モンローと貴ノ花の銅像がグルグル回ってたよね」とか。それって、かつて高田馬場駅に接点があった人なら、ほぼ100%知ってるネタ。今見に行ったりネットで調べてもわからない。でもひとまずはメジャーなものに添って……。 

  
——というのは?
放射状の田園調布
また全然違う話になってしまうんですけど、この番組って、人間個人個人の記憶とか原体験の積み重ねに触れたいと思ってるところがあって。空撮の映像が出たときに、視聴者が「あ、この沿線に住んだことがある」とか「いま住んでる」とか「彼女が住んでる」「会社がある」みたいなことを思い起こしてもらいたいんです。そういうこともあって、見たときにわかってもらうために、中央線とか神田川とか、観光地でいうと日光とか箱根とか。関東圏に住んでる人ならばおなじみの場所を選んでいるんです。しかし、今のラインナップで組んでいくと半年分はみえるんですけど、1年先は困っちゃいますね(笑)。 


——どうするんですか?(笑)

今後は“知らないけど映像が楽しそうな場所”にチャレンジしていこうかなと思ってます。たとえば工業地帯。経験値上、「ここは数字を取る/取らない」という場所があるんですね。たとえば「北九州」はこれまで取りにくい場所でした。『北九州を空から見てみよう』では、たぶん難しいんではないでしょうかね。でも『北九州工業地帯を空から見てみよう』なら見てくれそうな気がする。東京湾岸よりもすごい港とか製鉄所があるはずなので、映像上は誰も知らない場所かもしれないけれど、面白そうじゃないですか? 延々と“華麗なる一族映像”が続くことになるわけですから。工業地帯は全国にあるから、全国飛べる。そこで、視聴者に対して、従来になかった興味の喚起の方法を提示することができるんじゃないかな。もちろん大失敗する可能性もありますが、その辺は非常に楽しみですね。もしそれが成功したら、番組は次のステップにいける気がします。 


——これまで苦労した場所ってありますか?


京都ですね。あと日光も。旅ガイドじゃないという意思表示のやり方ですごく悩みました。京都の清水寺って多くの視聴者にとっても形状認識があるはずなんです。空から見てみたいと思うんですよ。でも観光名所でもある。そういうところと、町中のヘンなモノをどういうバランスで見せる日光・いろは坂か……正解は何もない。たとえば、東京湾だったら、上から見て面白いものをバンバン取り上げればいい。でも京都で面白いものだけを取り上げて観光名所を無視  していいのかどうかがわからなかったんですね。ただ、ちょっとうれしいリアクションがあって。「日光」の回の“分計”(毎分ごとの視聴率)で下がってた部分の全てが、日光を紹介するときには必ず取上げるところだった。つまり東照宮とか、いわゆる観光名所ですよ。「他番組でもよくやってるからいいよ、君達はヘンなもの探して来いよ」って視聴者から言われてる気がして。これはある意味視聴者からの応援だと思ってます。それで今は「ここは押さえておこう」とか「そろそろグルメスポット入れとくか」みたいな、よくある小賢しいテレビマン的なものの考え方にとらわれずに番組作りができるようになっていますね。 


——「ヘンなもの」を探すにも、目的を持って現場を調べないとわかんないですよね?

ええ、それについては、実は裏コンセプトみたいなものがあるんですよ(笑)





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番組data
番組名 空から日本を見てみよう ジャンル バラエティ・音楽
放送局 テレビ東京(テレビ東京系)
放送日時 毎週木曜 19時58分から20時56分
番組URL http://www.tv-tokyo.co.jp/sorakara/
主なスタッフ チーフプロデューサー・永井宏明、プロデューサー・越山進、井関勇人、
酒井英樹、ディレクター・小平英希、帆足誠仁、立野明史、豊川康成、高橋弘樹市葉純一(敬称略)
スタッフ数 約25人
主な出演者 案内役ナレーター・くもじい 伊武雅刀、くもみ 柳原可奈子(敬称略)
放送開始日 2009年10月15日

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