単なる美術セットではない。実際の住宅で使用されている材料で組まれている。総合演出 大松雅和氏

応援!日本経済 がっちりマンデー!!

『応援!日本経済 がっちりマンデー!!日曜に勉強!月曜から実践!』とは……TBS系にて毎週日曜日7時30分~8時00分放送。家庭での節約術からヒット商品の裏側、成功者の体験談、国家レベルの経済理論までをわかりやすく伝える経済応援バラエティ番組。小難しくなりがちな“経済”を楽しく理解でき、身近な存在に近づけてくれる。

あくまでバラエティとしての経済番組であることや、マンパワーに制限があることから、番組の独自性は毎回のテーマにかかっている。そこで取り上げた「狭い業界」に足を踏み入れてみると、想像以上に広大な世界が広がっていたという。 


―毎回のテーマはどのようにして決めていますか?
流行にはあまり気遣っていません。普段目をつけないような、あまり人目に出てこないようなニッチなテーマを掘り下げて紹介するのが好きでして、それが他の経済番組や情報番組とは違った「がっちりマンデー!!」の特色になると考えています。
例えば、個人的にもお気に入りな「狭い業界シリーズ」では、エレベーター業界やネジ業界、粘着テープ業界などを取り上げました。普段は当たり前のように使っているもので、市場規模や売上高なども気にならない業界でも、想像以上に巨大なマーケットがあったり、ユニークな最新技術があったりするんです。会議で打ち合わせをしながら、とある「狭い業界」のテーマで30分持つのか?と毎回不安視されるのですが、調べてみると「狭い」なんていうのは勝手な思い込みだったというのがほとんどですね。経済の目線からでも、知らなかったことを発見するのはとても楽しいことです。
また、渋谷の「109」の人気の秘密といったような、珍しくもないテーマを取り上げることもありますが、そうしたときでもカリスマと呼ばれる若い店長が華やかに接客している様子だけでなく、業務提携先を呼び出して叱咤している姿や、テナントオーナーである大手百貨店の事務所で売上げの数字を必死に書き写したりしてる様子などを映すよう心がけました。彼女たちも、売上の数字が悪いと退去させられるという市場原理の中で働いているんだというリアルさを出したかったんです。情報番組であれば、旬の表舞台だけを紹介するだけで終わってしまいますが、そこで描ききれない部分や皆が見逃している部分を「がっちりマンデー!!」でやってきたいと思っているんです。 


―常にアンテナを張っていないと、テーマの発案が大変そうですね。
ちょっとしたことがきっかけになることは多いですよ。例えば粘着テープ業界を取り上げたのは、以前にネジ業界の取材をした際に、最近ではネジの代わりに粘着剤を用いる工業製品が増えていているという話を聞いたのが最初です。ほんの少しの好奇心からその世界に踏み込んでみると、あ、これは番組にできそうだなって思うほどの広さを感じるものばかりです。
ちなみに歴代最高視聴率の12.8%を記録したのは「儲かる元素」というテーマで、身近にあるものを元素単位で紹介した回だったのですが、科学専門誌のニュートンを読んでいてひらめいた企画でした。酸素や水素などよく聞くものならいいのですが、ストロンチウムといわれるとなんのことだかわからなくなる。でもこの元素は、非常に高価ではあるがテーブルの塗料などに使われていると聞けば、生活に直結して認識できる。非常に面白い切り口の回だったと思います。今でも経済誌を含め、あらゆるジャンルの雑誌を参考にしています。
それでテーマが決まると、2週間ほどかけてリサーチを終え、そこから2週間で取材、1週間で編集、スタジオ収録を終えて1週間後にオンエアという進行ですね。 


―30分番組の中に2回のCMが入っており、2回目のCMに入る手前に出演した社長が「続きはCM2の後で」と言うシーンがありますが、そこには何か意味があるのですか?
必ず入る2回のCMをどのように扱おうかとスタッフで話し合いました。朝の時間帯なのでVTRでCMをまたぐ手法もどうかとも考え、それならばスタジオでまたぐしかない、それも「続きはCMの後で」などすごくベタにやるという結論に至りました。ただ普通すぎると面白くないから、あえて業界っぽく「CM2」という言葉を使い、出演した社長さんにやってもらおうということになりました。 


―番組に参加させると。
そうです。基本は自由にしゃべっていただくのですが、このシーンだけ、僕らのお願いを聞いて下さいと注文するんです。「最後にカメラ目線でこうやってほしい」「それだけお願いします」と。結果的に、カチッとやる人もいれば、堂々としていたりお茶目だったりと、社長さんの個性が出る場面になりました。素顔が一瞬出るので、結構おもしろいですよ。 


―番組制作で苦労されている点はありますか?
スタッフの人数が少なく、マンパワーが常に不足していますね。日曜朝の30分番組ですから、それほど人手も予算もかけられないのはわかっているのですが……。大雑把にいうと、ディレクター1人とAD1人を1チームとするものが全部で4チームあり、それで1月回しているという具合ですが、1チームがネタ出しから取材の申し込み、ロケ、編集、スタジオ収録分の編集までをすべてやるので、かなり大変です。
またマンパワー不足は、取材力の低下にもなってしまう。番組制作の参考として、経済番組の筆頭格であるテレビ東京さんの「ガイアの夜明け」や「カンブリア宮殿」などもよく見させてもらっているのですが、これらの番組でたまにやっているような密着取材をウチではできません。3人交代制などで張っているのでしょうけど、そこまではできない。むろん、そこまで求められていないのかもしれませんが、どうしてもできない撮影方法があると、悔しく感じてしまいますね。 


―その分、テーマの独自性で勝負ですね。
はい。そこが、他番組との違いでもあり、マンパワーの不足を補う唯一の方策だと考えています。
テーマの独自性でいえば、実は4年前から原油の先物取引で儲けるということをやろうと考えていました。今や1バレル135ドルを突破しましたが、当時は約40ドルという時代。いろいろな人に話を聞いて、これはがっちり儲けられると確信していたのですが、素人が参入するには難しすぎる投機市場であることから断念しました。今思えば、それでも取り上げておけばよかったと後悔しています。
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番組data
番組名 応援!日本経済 がっちりマンデー!! ジャンル その他
放送局  TBS(TBS系)
放送日時 毎週日曜日 7時30分から8時00分
番組URL http://www.tbs.co.jp/gacchiri/index-j.html
主なスタッフ 総合演出・大松雅和(敬称略) スタッフ数 約15人
主な出演者 加藤浩次、進藤晶子、岡村仁美(敬称略)
放送開始日 2004年4月(儲かりマンデー!)、2005年4月(がっちりマンデー!!)
(2008年6月1日で200回放送)

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