スタッフや演出家との間をつなげるケータイ

  1. 物語に描かれていない“魅力的なほころび”を見つけたい
  2. 銀座の大通りではなく、代官山の裏路地にあるようなセレクトショップです
  3. ナンシー関に怒られないようにしたい

スペシャルライブやwebサイトなど、幾多のメディアに広がりを見せる『情熱大陸』ブランド。その目指すところは、先鋭的でも大衆的でもなく、雑多なものが集まっているようにみえて、実はひとつのセンスで統一されているセレクトショップだという。 


―番組開始から、どんな苦労がありましたか?
 

『情熱大陸』って、よくこんなアイデアを思いついたなっていうような画期的な番組じゃありませんから(笑)。企画段階での生みの苦しみはなかったです。ただ、番組が認知されていない当初は、取材交渉に苦労しました。もちろん今でも取材を断られるケースは少なくありませんが、だいぶ交渉しやすくなりました。毎回の番組制作での苦労といえば、どの番組でも同じですが、長い期間かけて撮影しても放送されるシーンはごくわずかだということ。撮影した分の5%ほどでしょうか。ダラダラ撮影しているつもりはありませんが、取材を進めるうちいろいろと撮りたいものが増えてきてしまうんです。と、同時にカットしなきゃならない映像も増えてくる。取材相手にはもちろんですが、協力してもらった関係者、取材相手のお友達や恩師の方をカットすることにしたときには、本当に申し訳なく思います。それで「テレビって嫌だな」と思われてしまったら、僕らだけの問題ではなくなって、テレビ業界全体が嫌われてしまいます。ですからスタッフにはきちんと誠意をもってこちらの事情を説明するように言っています。実際ロケに行くと、以前にテレビの取材を受けていい思いをしなかったという話も聞くことがありますし。こうしたことは徹底しておきたいです。


―もはや『情熱大陸』は知名度ともに、ひとつのブランドを確立した番組になりましたよね。 

なるべく定型と呼ばれるようなものを生み出したくないと考えています。以前、他局で『情熱大陸』のパロディを作られことがありました。パロディにされたこと自体に嫌悪感などはまったくないのですが、笑いの対象にされるというのは、どこか世間との「ズレ」のようなものがあるからだろうと思います。無駄にカッコつけていたり、あるいは優等生っぽく映っているのかもしれない。もちろん、この人たちってステキですよねと伝える番組ではあるんですが、変に褒めすぎてやしないか、持ち上げてないか、気をつかっているのですが。


―『情熱大陸』の表現は番組だけでなく、スペシャルライブや著名人が集ったwebサイトなど多岐に広がってますね。 

放送200回のときに、「語録」を中心にした書籍を出版し、番組で取材したミュージシャンの曲を集めたコンピレーションアルバムを作りました。せっかくなら「生」で観たいなぁ聴きたいなぁというのがスペシャルライブのきっかけです。葉加瀬さんはいわばステージ・マスターですが、出演するメンバーは番組に登場したアーチストには限りません。『情熱大陸』という番組が好きな人が楽しんでくれればいいというのが方向性ですね。またwebサイトのほうでも角田光代さんに小説を書いてもらったり、ポッドキャスティングを制作したりといろいろやっています。どれも直接的な番組宣伝ではありませんし、どれだけの影響力があるのか検証したこともありません。ただ全体として、『情熱大陸』ってなにか面白そうなことをやっていると思っていただければいいかなと。大型百貨店や高級ブランドショップではなくて、セレクトショップをやっている感じでしょうか。銀座の大通りではなく代官山の路地裏にあって、先鋭的デザインでもラグジュアリー感あふれるわけでもない。でもなんとなく、この店の品揃えってセンスいいね、みたいな。

powered by Yahoo!
    JAPAN

この記事のウラビコを見る

ご感想をお寄せください

当フォームより、ご意見・ご感想をお寄せください。
いただいたご意見・ご感想は番組制作者へお届けする場合がございます。

ご感想を入力
番組data
番組名 情熱大陸 ジャンル その他
放送局 毎日放送(TBS系)
放送日時 毎週日曜日 23時から23時30分
番組URL http://mbs.jp/jounetsu/
主なスタッフ プロデューサー・中野伸二 ナレーター・窪田等 (敬称略) スタッフ数  
主な出演者 放送毎による
放送開始日 1998年4月5日

最新のインタビュー